私はサラリーマンですが、新しい部署に異動してから英語を使わないといけなくなりました。
英語力は必要と思っていたので、英会話は続けていたのですが、いざとなるとなかなか話せないです。
そんななかで 仕事の仕方が要領悪いな、と思っていた人の英語がペラペラで、「えっ、すご!」と思いました。
後で聞くと両親の仕事で幼少期シンガポールで過ごした帰国子女でした。
どうやっても、英語力では幼少期からやっている人には勝てません。(発音が違いすぎます)
身近な例ですが、このように「努力しても勝てない」領域があります。
そんな時に、陸上ハードルで活躍されていた為末大さんの著書「諦める力」を読んで、
努力する場所、継続し続けることの新しい視点を得ましたので、紹介しながら私の考えを書きます。
今回紹介する本は、こんな人におすすめ
▶︎努力しても全然成果が出ない人、周りに勝てない人
▶︎今の場所に留まり続けるべきか悩んでいる人
書籍紹介
タイトル 諦める力
著者 為末大
出版年 2013/6
出版社 プレジデント社
価格 1,500円(税抜)

読みやすさ ★★★★☆(話し言葉で書かれていて読みやすい)
実 用 度 ★★☆☆☆(考え方、が述べられてます)
本 棚 度 ★★★★☆(普遍的なのでたまに読み返すと良さそうです)
読書時間 1〜1.5時間(話し言葉なので、想像より早く読めます)
諦めるということはそこで「終わる」とか「逃げる」ということではない。
p.3
【全体】読んでみて感想

著者の為末さんは、400メートルハードルの銅メダリストですが、18歳の時に100mから400mハードルに転向されました。
100mでも大会などで活躍されていましたが、このままでは勝てないと思い転向されたようです。
スポーツの世界では、結果が出るまで「がんばる」ことが美徳とされる世界で、
「諦める」ことが「逃げる」こととされ、批判されるそうです。
これはスポーツの世界だけではなく、
受験や、仕事、資格試験などにも当てはまるのではないでしょうか。
この本は、ネガティブに捉えられがちな、「やめること」「諦めること」をポジティブに再定義できるよう、
為末さんの経験を踏まえた考えが書かれています。
努力を継続して、結果を出すことは素晴らしいことですが、
このままそのフィールドで続けることで自分が到達したい場所があるかどうか一度考えてみるのも良いかと思います。
世の中には、自分の努力次第で手の届く範囲がある。
p.32
その一方で、どんなに努力しても及ばない、手の届かない範囲がある。
努力することで進める方向というのは、自分の能力に見合った方向なのだ。
憧れの存在を持つなとは言わない。
p.33
ただ、自分の憧れる存在が本当に自分の延長線上にいるかどうかということを、
しっかりと見極めるのは非常に大事なことになってくる。
【詳細】本書の内容を踏まえたブログ主の考え
本書は第1章〜第6章で構成され、為末さんの経験に基づいた考え方が書かれています。
ここからは私が特に気になったポイントを紹介します。
勝てるフィールドで、戦って勝とう

「〜にもかかわらず、〜ができる」という 成功例はよく聞きます。
例えば、「大学まで未経験で、身長にも恵まれてななかったが、バレーボールでアタッカーとして活躍した」などです。
このような例を聞くと、「私も今からなんでもやれる!」と思うかもしれません。
事実、センスがある人は、成功するでしょうが、大半の人はそうではありません。
「秀才」と呼ばれる人には、スポーツもできるし、勉強もできる人がいますよね。
その人は本来学業に優れ、公認会計士や弁護士として活躍できるセンスがありながら、
地方の大会などでスポーツ選手として活躍できたことをきっかけに、スポーツの道に進む場合があります。
正しいか、間違っているかわかりませんが、何かを選ぶと何かを諦めることになります。
孫子は、「戦わずして勝つ」ことが最良としていました。
頑張って、努力し続けてやっとたたかえるフィールドよりも、自分のセンスを見つけて、
得意な領域で、たいした努力もせずに戦えるフィールドを探した方が、よっぽど楽です。
これはすぐやめてしまう「逃げ」とは違います。
あくまで「目的」を忘れず、その目的を達成するために、自分の努力で戦えるフィールドを探すことが大切です。
簡単な例ですが、陸上競技でオリンピックでメダリストになりたい!という目的を達成するために、
100mを手段としてとるか、400mハードルを手段としてとるか 考えた場合、
競技人口的に400mハードルの方が競争相手が少なくて、有利です。
また仕事面でも、自分が英語が得意なら、英語を話せるだけで重用される仕事を選んだ方が、
他の会社で出世するよりイージーであることは明白ですね。
全部自分に返ってくる

あなたが例えば公認会計士を目指していて、公認会計士の試験勉強を続けて、30歳になったとします。
そんな場合、周りの人に相談すると
「今までやり続けて、がんばってきたのにもったいない」
「やりたい仕事なんだから、最後までがんばってみたら」
などアドバイスや励ましを得るかもしれません。
そしてついに40歳でも合格できず、諦めた場合、応援してくれた人はあなたを救ってはくれません。
まだ20代で方向転換をしていれば就職もできたとおもいますが、
40歳で就職経験なしでは、どこもとってくれないでしょう。
何かをやめるとき、今後のことを考えて不安になりますよね。
「今やめて、これからまた新ことをやるのか・・・」と思いますが、
人生はトレードオフで、続けることを選んだ場合、続けなかった人生を捨てることになります。
一方で辞めることを選んだ場合、別の道を選ぶことになります。
「やめること」は、ゼロイチではなく、選び直しになります。
その選択が正しいか間違っているか、多分死ぬまでわかりません。
頑張っても結果が出ない場合、自分の能力不足のせいにするのではなく、
ただ「自分には合わなかった」として 別の道を選ぶのも良いかもしれません。
限りある人生の中で、「合うもの」を見つけられると生きやすくなりそうですね。
結果を出すために環境を選ぶ

「朱に交われば赤くなる」という言葉をご存知でしょうか。
「朱」というのは昔から使われている顔料で、それが布などについてしまうとすぐ「赤く」なってしまうことから、
人は周りの環境に影響されやすい(悪友達と付き合うと、不良になる)という慣用句です。
何か目指したいものができたとき、思い切って環境を変えることを、自ら「選ぶ」ことは大切です。
同じ環境のまま、努力しても結果が出ないのに居続けても、結果はは出ません。
英語を話せるようになりたいのなら、英語を話す人の近くにいるようにしましょう。
学歴社会が終わった、と言えどもまだ学歴は社会で重要視されているのが現実です。
高校、大学を自分の学力で学校の先生に選んでもらい、もしかしたら会社まで、
自分の大学のレベルのいける範囲で「選ばされて」来た人もいるのではないでしょうか。
そんな場合、「なぜ自分は今この会社でこの仕事をしているのだろう」というのにこたえられず、
「大学の先生にすすめられて・・・」というのもあり得ます。
まず、いろんな環境を自分で「選ぶ」ことをしてみるとよいです。
“connecting the dots”はスティーブ・ジョブズの有名なセリフですが、いろんな選択をした結果、
ベターな自分になれていく、と私は思っています。
たかが人生。たかが仕事。失敗しても大したことありません。
自分が死んでも、いなくなっても、世界は何も変わりませんので。
おわりに
今日は、
【レビュー】諦める力 をよんで 努力のベクトルを探す
ということをかきました。
頑張り続けること、努力し続けること、だけが自分が望む結果に結びつくものではありません。
自分の得意なフィールドがみつかるといいですね。
コメント