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PLにこだわるな!『ファイナンス思考』紹介

こんにちは。にんにんです!

私は製造業に従事していて、現在は企画部署に所属しています。
それまでは現場に近いところで仕事をしていたので、適応に一苦労しています。
そんななかで株式投資でもおなじみの、PL,BS,CFの「財務三表」をよく見ることになりました。

簿記検定を取っていたので助かりました。

ですが、上司からも「PLは水物で、状況によって変わる。目指すところを示せ」と言われます。

そんな中で、今日紹介する本はPLに固執する危険性について書かれています。
実務で大いに参考になります!

にんにん

PLは大事だが、全てではない

今回紹介する ファイナンス思考 はこんな人におすすめ!
▶︎仕事で事業企画や商品企画に携わっている人
▶︎株式投資をしてPLを重要視している人

それでは、いきましょう!

目次

書籍紹介

タイトルファイナンス思考
著者朝倉 祐介
出版年2018年7月
ページ数310ページ
出版社ダイヤモンド社
価格(税抜)1,800円
トータル評価
読みやすさ
実用度
本棚度
読書時間約2時間

経営者や起業を志す人だけでなく、
全てのビジネスパーソンが
長期志向・戦略的・自立型の「ファイナンス思考」を身につけれたら、
それは未来を生き抜く武器となる。
成長するビジネスが、日本にもからなず生まれる。

本書、扉

【全体】読んでみての感想

PL=Profit & Loss =損益計算書

まず、この本、非常に参考になります。

特にどんな小さな部署でも、事業企画や商品企画、工場運営などに携わっているサラリーマン。
また、もちろんこれから起業を目指す人、多くの人にとっての良書です。

おそらく、5年前の私であれば手にとっても流していた内容かも知れません。
しかし、異動などでサラリーマンは急に今までやったことのない業務を遂行しないといけません。

PLやBS,CFの「財務三表」は特に30代以上になると、いつの間にか「常識」となり、
読めないと、レベルが低いと断定されても、致し方ない状況になります。

財務三表は、私も持っている「ビジネス会計検定」や「簿記検定」が体系的に学べますのでおすすめです。
いずれも2級までで十分です。

ビジネス会計検定→https://www.b-accounting.jp/
簿記検定→https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping

本書はある程度の知識を前提としますが、巻末に非常に細かい「用語集」がついていますので、
知らない言葉も簡単に索引できます。

業務の中で将来のPLを想定し、算出する場面に出会うことが多い方も多いでしょう。

数字で営業利益などが見えるので、定量的に管理しやすいもので頼りになりますが、
事業企画を考える中で、本書ではPL だけに頼ってはいけない、と述べています。

「ファイナンス思考」とは何か、将来の企業価値を考えるのに大切なことは何か、
ヒントが書かれていますので、仕事で使用される方は、一度読んでください。
近くの図書館にもあるかもしれません。

【詳細】本書の内容、および感想

著者の朝倉祐介氏

著者紹介

著者の朝倉さんは競馬騎手養成学校の育成業務を経て、東京大学法学部を卒業された、変わった経歴をお持ちです。
東京大学在学中に設立した会社をmixiに売却し、代表取締役に就任されました。
スタンフォード大学の客員研究員などを経てから、複数の社外取締役に就任。
現在は2017年に設立したシニフィアン株式会社を共同設立されています。

シニフィアン株式会社
https://signifiant.com/

「PL脳」とファイナンス思考

PL脳とは何か

本書では、日本企業の多く、企画に携わる多くの人がPL脳に蝕まれている、といいます。
PL脳から脱却しないと、GAFMのような成長を続ける会社にはなれない、と。
PL脳は次の通り定義されています。

「PL脳」とは、「売上高や利益といった損益計算書(PL)上の指標を、
目先で最大化することを目的視する思考態度

ファイナンス思考、朝倉祐介、p.3

PLは、基本フォーマットが決まっていますので、いろんな業界の会社を横並びで比較することができます。
そのため、非常に便利ですが、あくまで一定期間の業績の結果を示しているものにすぎず、
それが本当に長期的な視点で見たとき、企業の成長(=企業価値の向上)につながっているか、わかりません。

株式市場に上場している企業は”Going Concern”という、「基本的に企業活動は永続的に継続する」という
暗黙の了解で成り立っています。
実際は倒産やM&Aはありますが、そのような前提であるからこそ投資家から資金を集めることができます。
伴って、企業の成長もPLという短期的な指標だけではなく、長期的な視野に基づいて見通すべきだ、と著者はいいます。

会社を評価するための手段=お金

良い会社とは、なにか。考えてみたときに、色々な答えが出ます。
・商品の品質が良く、サービスもいい会社。
・給料が良く、休みやすい、働きやすい会社。
・しっかり利益を出して、いいところに土地を持っている会社。
サービスを使用する側か、働く側か、投資する側か、によって視点が変わってきます。
全て揃わないと”いい会社”といえない、というわけではありません。

ただ、企業価値を考えた時には次の通りの指標で「お金」で定義されます。

  1. 事業の成果=損益計算書(PL)
  2. 保有する経営資源=貸借対照表(BS)
  3. 会社の価値=ファイナンス(将来、継続的に利益を稼ぎ続けられる力)

PL脳がもたらす弊害

著者はPL脳でいることは、企業価値の最大化を実現できない、と言い、
PL脳に陥った場合、次のような問題事例がある、といいます。

  1. 黒字事業の売却をためらう
     ”今”稼げている事業を売却すると、利益が減るため、固執してしまう
  2. 時間的価値を加味しない
     将来的に稼げなくなる、という可能性を気にせず、短期で事業価値を判断してしまう
  3. 資本コストを無視する
     運転資金を得るためには株主に配当を払ったり、銀行に利子を支払わないといけません。
     それ以上に稼げないと意味がありませんが、利益が出ていることだけを見て、
     実際のキャッシュの金額を軽視すると、非効率な運営になります
  4. 事業特有の時間感覚を勘案しない
     収益化は早い方がPLが美しいですが、将来的な稼ぎ頭への投資をためらわせます
  5. 事業特有のリスクを勘案しない
     その事業で得られる利益の実現性に対するリスクが、PLでは見えません。
     将来得られる利益を、リスクを加味して現在価値にあてはめて資金調達をしないといけませんが、
     PLでは利益額は単一に見えるので、そのリスクが見えなくなります。

PL脳にとって大事なのは増収増益が続く道がみえることです。
利益率が多少悪化する。また1つの得意先に依存して継続リスクが高まったとしても、PLにはあらわれません。

また、利益が増益にならない時、投資を抑制(繰延)して、短期的な見栄えを重視する危険性もあります。
これではせっかくの将来のキャッシュを得る手段を閉ざしてしまいます。

PLは年度で区切るため、翌期の売上を前倒ししたり、費用の支払いを翌期に回したり、「作る」こともできます。

東芝で問題になった「マスキング価格」はその典型例で、本来の内部取引をかさましして、
売上が多いように見せかけていました。

ファイナンス思考

ファイナンス思考は、
会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って、
事業や財務に関する戦略を、総合的に組み立てる力
 のことで、「会社の戦略の組み方」です。

  1. 価値志向
  2. 長期思考
  3. 未来志向

Amazonは、万年赤字の会社です。
この事実だけをみると、「もうかってないからやめてしまえ」となりますが、
Amazonは株主にもおおやけに、PLではなくFCF(フリーキャッシュフロー)の蓄積を需要視しています。

AmazonのCCCがマイナスなことは有名な話です。
CCCはCash Conversion Cycleのことで、モノを仕入れて、売るまでの回転期間のことです。
これがマイナス、ということは異常です。
仕入れ先にお金を支払うより早く、お客さんからお金を回収している、ということです。
これができると、永遠にキャッシュがなくならないので、投資に回せる好循環が起きます。
Amazonの圧倒的な購買力が実現させていますね。

黒字倒産、という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、PLがいくら良くても
実際のお金が入ってこない(営業CFがマイナス)と、倒産します。
「キャッシュは事実、利益は意見」と言われるゆえんです。

ファイナンス思考
PL脳
  • 企業価値 を重視
  • 長期、未来志向、自発的
  • 戦略的、逆算型
  • PL上の数字(売上、利益)を重視
  • 四半期、短期、他律的
  • 管理的、調整的

ファイナンス思考において、施策の意義は、
将来にわたって生み出すキャッシュフローの最大化に貢献するのか、という視点です。
短期的な利益や売上高、ではなく、実際にお金をもたらすか、という点にあります。
その意味で私は非常に実務的な考え方だと思いました。

これはPLはどうでもいい、というわけではなく、その思考にたてば、結果的に長期的なPLにも貢献します。

おわりに

今日は、
PLにこだわるな!『ファイナンス思考』紹介
というテーマで書きました。

かつて東芝の再建に尽力した土光氏は次のように述べました。

計画とは将来への意思である。
将来への意思は、現在から飛躍し、無理があり、実現不可能に見えるものでなくてはならい。
現在の延長線上にあり、合理的であり、現実可能な計画はむしろ「予定」と呼ぶべきだろう

同著、p54

ファイナンス思考はこのように現在からの積み上げではなく、
将来の企業価値の向上を目指すための逆説的なアプローチであると感じました。

企業も人生も永続的、を前提にしないと刹那的な、今さえ良ければいいや、という考え方になります。
諸らいに向かっての投資を思い切ってやっていきましょう。

では、また次のブログでお会いしましょう!

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この記事を書いた人

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