東証の市場区部が再編されますが、正直よくわからない。
なぜかわるのか?どんな基準で変更されるのか?取引にどんな影響があるのか。
東証の市場区分変更について何回かに分けて書きます。
今回は1回目として、再編が起こった背景 ①現行区分が抱える課題 についてかきます。
続編はこちら↓
https://nin-kakurezato.com/market-change2/460/
東証一部ってそもそも何社あるの?
東証一部上場企業です! 勲章のように言われることがあります。
「旦那さんの企業、一部上場なんですってー」 安定してる、というイメージがありますね。
日本には3万社程度会社があると言われていますが、東証一部上場企業数は何社あるのでしょうか。
JPX(日本証券取引所グループ)のHPに企業数を推移が載っています。

2021/7/21時点で、約2,200社が東証1部です。どう思われましたか?多いですか。
次はもJPXのデータから、推移です。
年々東証一部の企業数は増加傾向で、2005年と比べると2020年は+519社(+32%)となっています。
「東証一部上場」の価値はだんだん減ってきてしまっているのではないでしょうか。

現行市場編成の問題点
JPXの青執行役員は、現行市場の課題を次の3点としています。
①各市場区分のコンセプトが曖昧でわかりにくい
②市場区分が持続的な企業価値向上の動機付けに結びついていない
③市場代表生徒投資対象としての機能英を兼ね備えた市場指数が存在しない
①各市場区分のコンセプトが曖昧でわかりにくい
現在の市場区分は5つに分けれています。
東証一部、東証二部、JASDAQグロース、JASDAQスタンダード、マザーズです。
私(投資家)からの見え方は、
東証とJASDAQスタンダードは、実績がある程度あり、安定している。
JASDAQグロースとマザーズはリスク高いが、成長余力が高い。
というイメージですが、どの市場に所属しているから、どんだけリスクがあるのか、などは曖昧です。東証一部と二部の違いは?といわれても、わかりませんし、投資の判断基準に上場している市場がどこか、というのはあまりみていません。
東証一部でも伸び代がある企業はありますし、マザーズでも沈没船のような銘柄もあります。
一方上場する企業側としても、どこに上場するのか?という違いが分かりづらく、市場選択が曖昧であることや、JASDAQは流通株式の比率(売買できる株の比率)が低くても上場できてしまったりすることが、以前から問題点として指摘されていたようです。
②市場区分が持続的な企業価値向上の動機付けに結びついていない
これは端的にいうと、「東証一部を目指すために企業価値を高める意味」が見出せないということです。
冒頭のチャートで示しているように、
5市場で上場している合計は、3,789社ですが、
東証一部上場企業数は2,191社で、58%が東証一部です。
「東証一部上場」は精鋭が集まっているイメージがあるかもしれません。
数が多くてもそれだけ精鋭がいたらいいのですが、不正検査(三菱電気)やずさんな会計体制(東芝)で摘発される東証一部も見受けられ、とても選りすぐられた銘柄とは言えないものもあります。
「東証一部」の価値が減ってしまったことで、
東証一部に上がるために、企業のガバナンス強化や株主価値の向上への意欲を得られないことが問題です。
③市場代表生徒投資対象としての機能英を兼ね備えた市場指数が存在しない
東証一部に関する指標で有名なものは、
「日経225平均」と「TOPIX」ですね。
日経225平均は、東証一部上場企業のなかで、「代表的」な225銘柄の平均で構成され、
定期的な入れ替えが行われます。流動性が高い銘柄が5秒ごとに算出され、日本経済新聞社から発表されています。問題点としては、ファストリや、ソフトバンクなどの、1単元の値段が高い銘柄の影響を大きく受けます。
一方TOPIX(Tokyo Price Index)は東証一部の全銘柄を対象とする指数で、
1986年の時価総額の合計を100として、今はそれに対してどうかを示しています。
2021/7/21時点のTOPIXの終値は1,904円なので、1986年からすると19倍になっていますね。
こちらも時価総額になるので先ほどお同じで、値嵩株の影響を受けます。
どちらも問題があり、正しい姿を表す指数がない、というのが課題になっています。
終わりに
今日は、
東証 市場区分変更の理由 ①現行区分が抱える課題
というテーマで書きました。
市場変更において、少しでも参考になれば嬉しいです。
では、またー。しゅたっ!
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