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不況にはちゃんと原因があった『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】』紹介

日本は20年以上デフレに苦しんでいます。
なぜデフレがこんなにも改善しないのか、専門的になりすぎると難しい面もある経済学ですが、
今回紹介する本を読むと経済のカラクリがわかりました。

今日は、
「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】」の内容を少し紹介して
経済のカラクリをわかりやすく紹介します。

目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】 はこんな人におすすめ
▶︎デフレから脱却できない理由を基礎から簡単に知りたい人
▶︎経済の仕組み(インフレ/デフレ)の概要を知りたい人

目次

書籍紹介

タイトル 目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】
著者 中野剛志
出版社 KKベストセラーズ
価格 1,600円(税抜)

目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】 中野剛志

初心者向け度 ★★★★★
実用度    ★☆☆☆☆
読書時間   約2時間

こんな高度な内容をこれ以上わかりやすく書くのはもう無理です。

なお、著者の「奇跡の経済教室」はこの【基礎知識編】と、【戦略編】がありますが
【戦略編】は【基礎知識編】の第二部の詳細で応用内容になりますので、まずこの
【基礎知識編】を読んでからにするとよいでしょう。
(前提知識があるひとは、いきなり戦略編でも大丈夫です)

読んでみての感想

みんなが目指す、経済成長

本書は第一部と第二部にわかれています。
第一部はインフレ/デフレの仕組みと経済対策についてかかれており、初心者向けだと思います。

第二部は今、日本の政治の経済対策への著者の意見になっており、少し深いと感じました。

初心者にとっては、第一部が勉強になります。
第二部は応用になりますが、全体的には初心者向けになっています。
投資もなにもしたことがない(興味がない)家族が読んでましたが、
「簡単な文章で書かれていて、わかりやすかった!」と言っていましたので、
普段から経済ニュースなど見てない人でも読めます。

本書は二部構成です。
第一部 経済の基礎知識をマスターしよう
第二部 経済学者たちはなぜ間違うのか?

本ブログでは、第一章の内容を中心に紹介します。

日本経済が成長しなくなった単純な理由

日本はずっとデフレです

日本が成長しなくなった最大の要因は、ずばり、デフレです。
(中略)
経済成長は、基本的には、インフレを前提としてるといっても良いでしょう。

p.30-31

日本はデフレ、というのは認識あるかと思います。
インフレは  カネの価値が下がって、物価が上がります。
デフレは   カネの価値が上がって、物価が下がります。

日本の物価上昇率(コアコアCPI)は次の通りになっており、デフレ状態にあることがわかります。

https://www.nippon-num.com/economy/cpi.html

デフレだと経済成長しない、ことを示すように、日本のGDP成長率は他国に比べて最低水準です。

https://diamond.jp/mwimgs/9/1/-/img_91c2c95cbcc36ee1eaf6249b3c3057fe65416.png

デフレは、物の値段が下がっていく、というイメージですが、
本来的な物の価値が一定、と考えた場合、
車が1台200万円で買えていたのが、同じ車が100万円で買えるようになった場合は、
200万円は、今まで車1台分の価値だったのに、
200万円が、車2台分の価値になった、と言えます。

つまりデフレは「カネの価値が上がった」(1円あたりで交換できるものが増えた)状態ですね。

そんなとき、今後もデフレになります、というのが分かっていた場合、今買い物するか、後で買い物するか、どちらがお得でしょうか。

そうですね、後で買い物した方がとくですね。同じお金で多くのものが買えるからです。
この状態になると人々は、お金を使わず、貯めるようになります。お金が使わないと経済が回らない(物を売っている人からすると収入がなくなる)ので景気が悪くなります。

これが現在の日本の状態で、人々や企業は合理的に、行動しており、悪者ではないです。

ただこれが続くと、全体(マクロ)では経済状態は回復しないので、政府が政策で対応をする必要がある、と著者は言います。

企業や個人の個々(ミクロ)の行動が正しいと、全体(マクロ)として間違ってしまう、というのが「合成の誤謬」です。
(中略)
「合成の誤謬」はマクロ経済全体の運営をつかさどる「政府」が直すしかないのです。

p.39

全体の調整役としての政府が取るべき対応

司令塔としての政府

平成の日本企業がダメになったのは、経営者のせいではありません。デフレ脱却に失敗している政府のせいなのです。

p.44

政府が取るべき対応は、インフレ時、デフレ時、それぞれあります。
一般的にはゆるやかなインフレ、がもっとも経済の状態としては良い、といわれています。

インフレ時は、「需要過剰/供給不足」の状態です。
そのため、政府が投資を減らしたり、増税をして、需要を減らすことや、
需要を規制緩和や自由化をして、供給量を増やすことが挙げられます。

一方デフレ時は、「需要不足/供給過剰」の状態です。
インフレ時とは逆で民間に投資を促す減税を行なったり、規制強化によって供給量を抑えることが必要です。

規制緩和やグローバリゼーションは、供給量を増やしますので、インフレ時には有効ですが、
デフレ時には逆効果になります。
しかし日本はずっと世界からの市場開放の要求を受けて規制緩和を続けてきたので、
デフレを助長してしまっている状態です。

デフレ時は、生産量を増やしてはいけない!?

私は、製造業に従事していますが日々生産性向上や、いかに多くの量を効率的に作れるか日々現場で活動しています。

しかし、デフレ時には、供給が過剰な状態ですが、供給量を増やすことは、デフレを冗長することになるのです。

では、企業はデフレ時には改善活動をしてはいけないのでしょうか。
経済のことだけを考えると答えはYesですが、現場としてはそんなわけにはいきません。
企業や個人商店はインフレでもデフレでも、供給量(売上)を増やす活動をします。
改善がすすまないと国際競争力も落ちて、負けてしまいます。

よって、政府主導で早くデフレを脱却し、その上で生産性の向上を促す施策を行うことが大切です。

デフレ脱却のために、お金を刷っても効果なし!?

日本銀行は、デフレから脱却するために貨幣供給量を増やしています。
下記は、日本のマネタリーベース(現金通貨と準備預金の合計)の増加量の推移です。
一貫して毎年増え続けていますが、デフレからは脱却できていません。

https://www.nippon-num.com/economy/monetary-base.html

お金をすっても、需要がないので、使うところがなく、お金は銀行に留まっています。
著者は、需要を喚起する政策が必要とされているが、その対策が打たれていないことを問題視しています。

おわりに

今日は、
【レビュー】目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】を読んでデフレ脱却方法を学ぶ
という内容を書きました。

経済学はいろいろな考えがあります。この本で述べられていることもその1つですが、
事実日本はデフレから脱却できておらず、世界の経済成長から完全に取り残されています。

一人一人は合理的に行動していくしかありませんが、将来を悲観せず個人個人で行うべきことを続けていきましょう。

では、またー。しゅたっ!


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この記事を書いた人

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